『耳から覚えるつもりで』

前回お話を伺った大阪大学の宮本太陽さんに

「宮本さんよりさらにベトナム語を勉強している同級生」

として大阪大学1年生の川口さんをご紹介頂きました。

ベトナム語に興味を持ったきっかけを教えてください。 

-もともと声調がある言語に興味がありました。

声調言語を視野に入れつつ他の言語についても調べていた時、NHK World Japan のベトナム語版をラジオで聞きました。
ベトナム語の音の上り下がりが放送後もずっと頭に残っていて「これだ!」と感じました。

ベトナムは日本との社会的、経済的なつながりも強く
様々な面で急進的に発展している国なので
ベトナムについて言語面、文化面から学んでいくことの必要性を感じています。

2021年の4月に大阪大学に入学されて7か月が経ちました

-ベトナム語の難しさをひしひしと実感しています。

ベトナム語といえばその発音の難しさが有名ですが母音・子音をはじめ、
どの音も私にとっては発音が難しく自分の発音とお手本の音との差を耳で聴き分けて
実際に発声する奥深さを実感しています。

ベトナム語の学習において発音が最初の壁になることが多いと聞きます

-ベトナム語にはカタカナでフリガナを付けるとすれば
「オ」に当たる音が3種類あるのですが、特に私は「ơ」の音が難しいと感じていました。
大阪大学のベトナム語専攻は先生からのサポートが本当に手厚く様々なアドバイスを頂きました。
時には友人から「某アニメのキャラクターが発する音がơに似ている」というヒントをもらい、
それを参考に音をイメージすることもありました。

12の母音と6つの声調を持つベトナム語ですがどのように練習するのでしょうか

勉強しはじめた頃は周囲と比べても発音は弱い方でした。
今年の夏休みにベトナム語スピーチコンテストの課題の詩を朗読教材にして
練習をしたことが改善のきっかっけになりました。

近藤美佳先生に何日にもわたり発音チェック、口の形や
舌の位置など指導して頂いたことで
「これまで分からなかった音が少しずつ分かるようになった」
と感じる瞬間がありました。

ベトナム語スピーチコンテストといえば宮本さんが
「川口さんは予習復習をしっかりしていて語彙力も豊富」とおっしゃっていました。
語彙力を増やすために何か意識していることはありますか

月並みではありますが、自分で単語ノートを作成しています。

以前、清水政明先生が

「ベトナム語は音から文字に起こすことでスペルミスなく綴れる場合が多い」

とおっしゃっていました。
その為には正しく聞き取れることが大前提となりますので

耳から覚えるつもりで授業を真剣に聞いています。

また授業以外でモチベーションを維持する一環として、
NHK world Japan のプログラムの中で日本の美術を
ベトナム語で紹介するサイトを見ることもあります。

今の私のベトナム語力では内容はわからないのですが、
様々な漆器や絵画の写真についてどのように
ベトナム語で説明するのかを聞くだけでも
楽しい気分になります。

 

普段からベトナム語学習に熱心に取り組まれている様子が
伝わってきました

-もちろん部活やバイトも楽しんではいるのですが、
高校生のころから目指していた大阪大学外国語学部で
学びたい言語を勉強させてもらっていると感じておりますので
ベトナム語の勉強は今一番すべきことだと思っています。

今後ベトナムまたはベトナム語とどのように関わっていきたいですか

-卒業後のことについてはまだ具体的には決めてはおりません。

現在、外国にルーツを持つ子どもたちと一緒に学校の宿題をするボランティア活動に参加しています。
今後ベトナムにルーツを持つ方がいらした時にベトナム語でのコミュニケーションが役に立つようであれば使っていきたいと思っています。
ベトナムと直接関わるお仕事に就けなかったとしても
何かの場面でベトナム語を使うことがあれば活かしていきたいと思います。

川口さん 貴重なお話ありがとうございました

 

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